理事長あいさつ

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鶴田川沿岸土地改良区
理事長 千葉 榮

鶴田川沿岸土地改良区は仙台市の北東約30km、大崎市の南端に位置し一級河川吉田川と鶴田川・高城川沿川に開かれた1市2町(大崎市鹿島台・大郷町・松島町)に跨る干拓地です。

干拓の歴史は古く、300年以上前の元禄時代から昭和にかけて歴史的な品井沼干拓工事が行われ、その先人たちの幾多の苦労により水害の常襲地帯は現在の圃場へと姿を変え、それらの歴史的な関連施設は平成19年に「品井沼干拓関連施設」として「土木学会選奨土木遺産」に認定されております。

さらに、一大穀倉地帯である大崎耕土の最下流に位置するこの地域は、水害の常襲地帯でもありました。特に昭和61年8月の8.5豪雨では当時の鹿島台町が壊滅的な被害を受け、「水害常襲地帯」という負のイメージがつきまとう地域となっていましたが、平成29年12月に「持続可能な水田農業を支える『大崎耕土』の伝統的水管理システム」として世界農業遺産に認定され、その負のイメージをプラスへと転換させることが出来ました。

このような歴史的な水利施設は、大崎市と松島町を貫流する地域の生命線となっており、同時に豊かな農漁村の生活の礎でもあります。干拓事業により整備された高城川が注ぐ松島湾は「世界で最も美しい湾クラブ」に加盟し、豊かな海の幸をもたらすとともに、美しい景色により人々に安らぎを与えています。それらの一連の姿は「土地のつながり、水系により一定の地域を受益」としている土地改良区の真の姿であり、土地改良区が市・町の行政区を超えて果たすべき役割は非常に大きいと実感しております。

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また、藩政時代から続いた干拓と治水の歴史を経て、世界農業遺産として評価された農地が、土地改良区の役職員ばかりではなく、組合員はもとより地域住民までも巻き込んだ交流の場となるべく、21世紀創造運動にも積極的に取り組んでおります。これを機に、土地改良区が管理している農業用水利施設は国民の食料生産基地として大きな役割を担っているばかりではなく、農地のみならず里山の雨水も排除するなど、地域住民の生命、財産を護り安全安心な暮らしに貢献していることをPRしているところです。

近年の高度な土地利用形態への対応や農業就業者減少高齢化など土地改良区事業運営についても抜本改革と検証を続けながら理想とする夢のある豊かな地域づくりに邁進するとともに、日本型直接支払交付金制度を活用し、農業の多面的機能を支える共同活動組織を全地区に立ち上げ、それぞれの地域で知恵を出し合い国民共有の豊かな農村の景観等の保全・活用にも取り組んでいるところであります。

管内には、干拓や土地改良事業の完工記念碑が各所に建立され後世に伝えられています。その中の古萬傳(昭和36年4月20日建立)に『所得倍増計画のもと水害から逃れ、豊作によっても尚農民は困窮から脱却し得ない現状にある』と記されています。土地基盤が整備され大豊作を迎えても喜べない現実、50有余年経た今、厳しい農業環境は全く変わっていないことを痛感しています。

干拓事業に終わりはありません。

8・5豪雨災、3・11震災等の体験に学び更に、近年の高度な土地利用形態への対応や農業就業者減少高齢化など土地改良区事業運営についても抜本改革と検証を続けながら理想とする夢のある豊かな地域づくりに邁進してまいります。

平成31年3月
鶴田川沿岸土地改良区 理事長 千葉 榮

水土里ネットつるた川の経緯:

  • 昭和26年6月26日宮区第5号で志田外二郡品井沼土地改良区として設立。
  • 昭和30年8月29日品井沼土地改良区と名称変更。
  • 昭和44年8月15日県営事業による地区拡大に伴い鶴田川沿岸土地改良区と名称変更。
  • 平成29年9月 1日宮城郡松島町手樽土地改良区を吸収合併し現在に至る。